1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:14:38.82 ID:QGlFn6/k0
ジャイアン「腰をやっちまって老衰した両親」
ジャイアン「高校卒業後すぐ店を継いだから学のない俺」
ジャイアン「漫画家を夢見てひきこもる妹…」
ジャイアン「どうしてこうなった……」
のび太「www」
9 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/10/17(水) 19:16:59.07 ID:oHeVsvtI0
またイオンの被害者が…
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:17:00.26 ID:QGlFn6/k0ジャイアン「の、のび太! お前いたのか!」
のび太「『いらっしゃいませ』だろ?」
ジャイアン「い、いらっしゃいませ……」ペコリ
のび太「ったく感謝してよ。こんな寂れた店にきてやってるお客様なんて僕くらいだよ」
ジャイアン「……」
のび太「はぁ、やっぱイオンのほうが安いな。これここで買うのやめとくか」
ジャイアン「わ、割引するから!」
のび太「何割?」
ジャイアン「……5%で」
のび太「は?」
ジャイアンの家って何の店だっけ?
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:18:00.59 ID:AeyyO43P020 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:20:00.52 ID:QGlFn6/k0
ジャイアン「だってそれの仕入れ値的にこれ以上は」
のび太「だーかーらー嫌なんだよ個人商店って」
のび太「これイオンならこの値段の2割引きくらいで買えるよ?? ん??」
ジャイアン「…だからなんだってんだよ」
のび太「客がやすいほうへやすいほうへ行くのは当然だよね?」
ジャイアン「わかってらぁ! でもなぁ……そんなに大口で仕入れることはできねぇんだよ」
のび太「種類もすくないし」
のび太「ねぇジャイアン。イオンに比べてこの店が勝ってるところってどこ?」
ジャイアン「……」
のび太「値段? 全部負けてるよね」
のび太「品揃えも最悪。ここじゃ簡単な夕飯の材料すら揃わない」
のび太「愛嬌? イオンの店員さんは可愛くて愛想よくてハキハキしてていいよねぇ」
のび太「立地も悪いし、駐車場もないから買い込むのしんどいし」
のび太「なにより楽しくない。買い物はレジャーだよ」
ジャイアン「……」プルプル
のび太「昔みたいに殴る? 大事なお客様を??」
ジャイアン「イオンなんてできなければ…」
のび太「自分とこの営業努力の足りなさを大手スーパーに押し付けるんだ?」
ジャイアン「そういうわけじゃ……」
のび太「イオンが勢力をのばす傍らでジャイアンは何してきたの?」
のび太「小売なんて生存競争かけて日々切磋琢磨してるよね?」
のび太「ジャイアンは呼び込みもしないし、チラシもつくらないし、WEBの更新もしないし」
のび太「仕入れを安くするための努力も怠ってる」
のび太「ねぇ、それで昔みたいに常連さんがきてくれるとおもった?」
のび太「浅はかだよね。そこが低学歴たる所以かな」
ジャイアン「……」
のび太「こんな閑古鳥が鳴くボロ屋なんてたたんで、迎合してしまえばいいんだよ」
ジャイアン「!」
のび太「そのほうが賢いよ。商店街のみんなはいまはイオンで立派に店員やってるよ」
のび太「ジャイアンならそうだなぁ、イオン農産部なんか合ってるんじゃないかな力持ちだし」
ジャイアン「……でも」
のび太「わかるよ。自営業のプライドってのがあるもんね」
のび太「パパとママから受け継いだ大事な店だもんね」
のび太「大学に行かずにこの歳になってまでパートは嫌だよね!」
ジャイアン「……」
のび太「でもさぁ、現実みろよ。もう商店街は死んだんだよ」
のび太「ジャイアンこのままここでうだうだしてるとマジで一家心中することになるよ」
ジャイアン「!!」
ジャイオン
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:33:45.72 ID:QGlFn6/k0のび太「わかる? イオンがこの街の中心なの」
のび太「イオンに沿うように道ができて人が住むの」
のび太「僕らの町は数年で変わったんだよ」
のび太「でも憎んじゃいけないよ」
のび太「これはこの町の大多数の住人が望んだ結果なんだから」
のび太「おかげで町は発展した。そうでしょ?」
ジャイアン「た、確かに…」
のび太「出木杉市長も頭かかえてるよ」
のび太「時代に取り残された古い人間をどう処理するかってね」
ジャイアン「なんだと!!」
市長出来杉かよwww
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:38:08.27 ID:QGlFn6/k0
のび太「この区画さえ整理できれば都市改革計画がまた一歩前身するんだ」
のび太「はっきりいうね。ジャイアンの店、みんなの邪魔だから」
ジャイアン「……!」
のび太「わかんない? 最近さぁ露骨に仕入れ値あがったでしょ?」
ジャイアン「……」
のび太「あれ、出木杉市長が農協に根回ししてるからだよ」
ジャイアン「へ!?」
のび太「いい年して素っ頓狂な声ださないでよ。予想もつくもんだろうに」
のび太「相変わらずどんだけ鈍いんだ……」
のび太「あーあ、バカに逐一説明するのはつかれるなぁ」
ジャイアン「やい、のび太お前は……」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:40:37.05 ID:Vl0jvOZvPのび太「はっきりいうね。ジャイアンの店、みんなの邪魔だから」
ジャイアン「……!」
のび太「わかんない? 最近さぁ露骨に仕入れ値あがったでしょ?」
ジャイアン「……」
のび太「あれ、出木杉市長が農協に根回ししてるからだよ」
ジャイアン「へ!?」
のび太「いい年して素っ頓狂な声ださないでよ。予想もつくもんだろうに」
のび太「相変わらずどんだけ鈍いんだ……」
のび太「あーあ、バカに逐一説明するのはつかれるなぁ」
ジャイアン「やい、のび太お前は……」
のび太は地上げ屋にでもなったのかwwww
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:42:45.34 ID:QGlFn6/k0ジャイアン「客として来たんじゃないのか!」
のび太「もちろん客だよ? あ、この缶詰一個頂戴」
ジャイアン「おせっかいか!? それともまじで地上げでもしようってのか!」
のび太「僕はまだそんな身分じゃないよ。でも、近い内そうなる」
のび太「だから警告だよ。情けをかけた最後通告といってもいい」
のび太「友達として、ね」
ジャイアン「最後通告だと……!!」
のび太「さっき僕はイオンに迎合しろといったよね」
のび太「でもね、人間そんな簡単にプライドと愛着ある店を捨てることはできないんだよ」
のび太「だから君にも必要なんだ、建前が」
ジャイアン「!」
のび太「地上げをくらったから、『仕方ない』」
のび太「それが君に残された人生の逃げ道だよ」
ジャイアン「あ…あ……」
のび太「足りない頭で考えてよ。野垂れ死にたくはないだろ?」
のび太「妹の夢を応援したいだろ?」
のび太「伏した両親を助けたいだろ?」
ジャイアン「俺は……俺はどうしたら……」
のび太「これ以上貯金を食いつぶすのは楽しいか?」
のび太「気付いた方がいい」
のび太「もう君も君の店も、詰んでるんだよ」
ジャイアン「……」ガクッ
のび太「さて、すこしおじゃまするよ。元フィアンセの様子も少しみたいしね」
ジャイアン「……」
のび太「悩みに悩むんだ。相談があったら僕のところへおいで」
のび太「話を聞くくらいならいつでもかまわないよ」
のび太「まぁ本当に聞くだけになるだろうけどね…」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 19:50:20.02 ID:QGlFn6/k0のび太「足りない頭で考えてよ。野垂れ死にたくはないだろ?」
のび太「妹の夢を応援したいだろ?」
のび太「伏した両親を助けたいだろ?」
ジャイアン「俺は……俺はどうしたら……」
のび太「これ以上貯金を食いつぶすのは楽しいか?」
のび太「気付いた方がいい」
のび太「もう君も君の店も、詰んでるんだよ」
ジャイアン「……」ガクッ
のび太「さて、すこしおじゃまするよ。元フィアンセの様子も少しみたいしね」
ジャイアン「……」
のび太「悩みに悩むんだ。相談があったら僕のところへおいで」
のび太「話を聞くくらいならいつでもかまわないよ」
のび太「まぁ本当に聞くだけになるだろうけどね…」
のび太「やぁ」ガラガラ
ジャイ子「……こうじゃないこんなんじゃない」ブツブツ
のび太「神童も堕ちたもんだな」
のび太「まぁよくあるよね。神童なんて言葉所詮まやかしなんだよ」
のび太「そうあってほしいと願う周りがもてはやした結果さ」
のび太「やがて年をとって気づくんだ。自分は所詮有象無象の凡才だって」
ジャイ子「の、のび太さん……」
のび太「漫画は楽しいかい?」
ジャイ子「……」
のび太「へぇ、うまいもんだね」
ジャイ子「見ないで!!」
のび太「どうして? うまいじゃないか、そこそこ」
ジャイ子「そこそこじゃだめなんです! もう小学生じゃないんだから!!」
のび太「そうだよね。そうなんだよ」
のび太「君はもう大人だ。こんな子供だましの落書きを書いてる年齢じゃない」
ジャイ子「やめて!!」
のび太「なんだよ。いざ指摘されると嫌がるって。とことん幼稚な精神のまま育ったんだな」
のび太「君は漫画をかきたいのか、漫画をかいてることを逃げ道にしてるのかどっちなんだ」
ジャイ子「いやーーー! でてって!!」
のび太「やれやれ」
のび太「ひたむきに絵をかいてた君は好きだったよ」
のび太「あのころは確かに輝いてた」
のび太「でも薄汚れたおんぼろ部屋でこそこそ自慰にふけるようじゃもうだめだ」
のび太「自分の能力と才能に見切りをつける時期はとっくにすぎたよ」
ジャイ子「まだ来期の新人賞があるから……」
のび太「新人って歳かい。漫画家に大器晩成があるのかしらないけど」
のび太「素人の僕でもわかる。君のメッキは剥がれた」
ジャイ子「諦めたらそこで試合終了……」
のび太「凡人の君程度が漫画のセリフをタテにするなよ」
のび太「それは才能のある人間にだけゆるされた至言だ」
ジャイ子「帰ってください……」
のび太「僕も嫌われたもんだね」
ジャイ子「のび太さんにはわからないんですよ」
のび太「漫画は詳しくないよ。一読者でしかないもんでね」
ジャイ子「ちがう!!」
のび太「?」
ジャイ子「努力を強いられる凡人の気持ちなんてわからないって言ったんです!!」
のび太「努力……ねぇ」
のび太「参ったな。そういわれると。僕は言い返せないよ」
のび太「たしかに僕は努力なんてしなかったよ」
のび太「だって努力する事を努力とは思わなかったから」
ジャイ子「!」
のび太「好きなことは無我夢中でやる。気付いたらうまくなってる。うまいから金になる」
のび太「その裏で数え切れない苦労はあるさ、でもそれを人に自慢げに語ってなんになる」
のび太「さもしいんだよ。君は」
のび太「承認欲求だけで絵をかく雑魚が漫画家先生を夢見てるんじゃない!!!!」
怠け者ののび太がどうしてこうなった
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 20:05:57.58 ID:QGlFn6/k0ジャイ子「うっ……ううっ」
ジャイ子「一体なにしに来たんですか」
のび太「言っとくけど、君をどうこうしようって気はないよ」
のび太「ただ、前へ進もうとするお兄さんを支えて欲しいって言いに来ただけさ」
のび太「それともお兄さんにだけ苦労かけて自分はまだ夢に酔うのかい?」
のび太「妹だからって甘えてられるのは花ざかりまでだよ」
のび太「それに、切実にお金もないんだろう」
のび太「将来どうする気なの?」
のび太「いっとくけど、御免だよ僕は」
のび太「君、女としての魅力がないんだ。見た目も心も」
ジャイ子「……」
のび太「さてと……」
のび太「おっと電話だ。失礼」
のび太「もしもし、こちらよりよい未来を作る四次元カンパニー代表取締役の野比です」
のび太「なんだ市長。ハハハ、いま剛田商店です」
のび太「まぁ、ぼちぼちやってますよ」
のび太「これで駄目なら強行策も辞さないつもりです」
のび太「うまくやりますよ。手馴れてるんで」
のび太「なにより友達だ。なるべく穏便に解決したい」
のび太「では、また日を改めてディナーでも」
ジャイ子「のび太さん今の電話……」
のび太「現実をみたほうがいい」
のび太「僕はよりよい未来を作る。22世紀につながるように」
その晩
しずか「おかえりなさい」
のび太「やぁ、ただいま」
しずか「どこか寄り道してたの?」
のび太「ちょっとね、顔なじみの店に」
しずか「ほんと知り合い多いのね」
のび太「職業柄ね。いい縁もあれば悪い縁も多いよ」
しずか「疲れてない?」
のび太「今日はちょっと精神にきたね」
のび太「僕は毒を吐くのが仕事ってわけじゃない。でも仕方ないか」
しずか「だってのび太さん、優しいもの……無理はしちゃだめよ」
のび太「やめてよ。明日は骨川スネ夫だ今月一の難所だよ」
のび太「気を高ぶらせてかからないと逆に飲まれる」
スネ夫なにしてんの
216 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 20:47:21.36 ID:QGlFn6/k0しずか「スネオさん……いまはイオンの近くで喫茶をやってたかしら」
しずか「一度だけ行ったことあるわ。とても、その、奇抜なお店で……すこしだけひいちゃった」
のび太「うん、それが厄介なんだ」
のび太「まぁしずかちゃんに話すことじゃないけど、目の上のたんこぶだよ彼は」
しずか「それでもちゃんとお仕事してるわ」
のび太「……だからだよ。僕も考えあぐねている」
しずか「?」
のび太「とにかくお腹がすいた。晩御飯は?」
しずか「できてるわ。いただきましょ」
のび太「食べながら聞いて欲しいんだけど」
のび太「今回の山が片付けば、都市改革も一段落する」
しずか「えぇ、のび太さんすごく頑張ってるわ」
のび太「それで、すこしだけ暇ができるんだ」
しずか「そう、良かった。ゆっくり休めるわね」
のび太「その間に、籍を入れない?」
しずか「!」
のび太「あんまりこうだらだら引き伸ばすのも君に悪いかなってずっと思ってた」
しずか「いいの……? うれしい……」
のび太「ジャイアンたちも、気持ちに整理がついたら笑顔で僕らを祝ってくれるさ」
のび太「だから、僕は明日スネオを必ず……」
しずか「応援してるわ、ずっとこれからも」
のび太「ありがとう。しずかちゃんが居てくれるから僕は頑張れるんだよ」
翌日
のび太「人通りの多いこんな場所に、無粋な……」
カランコロン
メイド達「おかえりなさいませご主人さまー!」
のび太「オーナーのところへ通してくれないかな」
スネオ「よ! のび太じゃん! 珍しいな」
のび太「やぁスネオ。来たよ」
スネオ「来たよって。あ、わかったウチの子たち秘書にでもつけようって腹だな」
スネオ「スカウトは自由だぜ。また可愛い子雇えばすむ話だからな」
のび太「違うよ。大事な話があるんだ」
スネオ「………かけろよ」
のび太「単刀直入に言う。店をなんとかしてほしい」
スネオ「そりゃまた。つまらない脅しでもするのか」
のび太「この店は、ふさわしくないんだ。僕らの描いた都市計画に存在しない」
スネオ「商売には自由ってものがあるとおもうけどなぁ」
のび太「治安も悪くなる。やめてほしい」
スネオ「一応営業許可証はもってるんだけど?」
スネオ「それになんの権限があっていちゃもんつけるんだよ」
のび太「権限じゃない。個人的なスネオへの憂慮で」
スネオ「余計なお世話だ」
のび太「どうしてこんないかがわしい店を天下の往来につくるんだ」
スネオ「楽しいから」
のび太「楽しければ町の景観を損ねてもいいと君はおもってるの?」
スネオ「景色はだれのものでもない」
のび太「それに、こういうのは商売ではない」
のび太「君は大学をでてから一体なにをしていたんだ」
のび太「まともな職にもつかず、あちこちをふらふらふらふら」
のび太「数年ぶりに戻ってきたと思ったら下世話なメイド喫茶のオーナー?」
のび太「正直なにを考えているかわからないよ」
スネオ「楽しいこと」
のび太「わからない……君が心配だ」
スネオ「建前はね。本音はそう、お前なんて出木杉閣下の犬っころさ」
のび太「両親はなんていってる」
スネオ「何も」
のび太「じゃあ心のうちで何を思っているかくらいなら想像つくだろう」
スネオ「何も。心底興味がないんだ、僕には」
のび太「君のママはそんな人じゃないはずだ」
のび太「きっと心底君の将来を心配しているはず」
のび太「だってあんなに君のことを大事におもってるんだ。いつも君のことを嬉しそうに」
スネオ「勝手な憶測で人の家庭のことに水を差すな」
のび太「スネオ! なら骨川財閥はどうした? お父さんの後を継ぐんじゃないのか?」
スネオ「……たのしくないだろ。そういうのって」
スネオ「確かに昔の僕は親の金つかって幅を効かせていたさ」
スネオ「お金があれば友達はあつまってくる、物欲は満たせる。その気になれば女だって」
スネオ「でもさぁ……それって虚しくね?」
のび太「……」
スネオ「金持ちの子供って、レッテル貼りの世界で生きるしかないの?」
スネオ「それって、哀しくね?」
スネオ「のび太、僕はさ、世俗にまみれるのがつまらないと感じる人間になってしまったんだ」
スネ夫が達観してるぞ
273 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 21:09:46.32 ID:pykdpDJI0
これほんとにスネ夫かよ…
282 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 21:13:30.11 ID:QGlFn6/k0のび太「世俗だと! ろくに社会に働いたこともない人間が何をいってるんだ」
スネオ「のび太、お前頭固いな」
のび太「なに……」
スネオ「僕とお前、なにが違うの?」
のび太「……違うさ、僕は公のために身を粉にして働いている」
スネオ「はいそうだね。僕は道楽の放蕩野郎さ」
スネオ「で、それは悪いことなの?」
のび太「客足だって悪いだろう…」
スネオ「悪いよ。日に数人しかこないなんてザラさ」
スネオ「で、それは悪いことなの?」
のび太「!」
スネオ「ジャイアンの家はさー。まぁお金ないし経営がくるしいならなんとかしなきゃって思うだろうさ」
スネオ「でも僕の場合、しったこっちゃないんだよね。お金あるから」
のび太「矛盾している。君は結局親の金で道楽に走っているだけだ」
スネオ「そうだよ! 僕にはお金があるから」
のび太「自力で稼いだ金じゃない!」
スネオ「それものび太には関係のない家庭の話」
スネオ「正直ね財閥全体の資産を鑑みると、こんなの小銭みたいなもんさ。頓着がないんだようちの親」
のび太「でも、友達がいい歳してぷらぷら遊んでいるなんて僕は見逃せないよ!」
スネオ「じゃあ放っておいてくれ。それも友情だ」
のび太「スネオ……本当にいいとおもっているのか」
のび太「同期の人間の今を見てなにもおもわないのか」
のび太「僕はこのとおりだ。出木杉は市長になった。近い将来国政にもでる!」
のび太「しずかちゃんは立派にOLをやっている! もうすぐ主婦になる!」
のび太「ジャイアンは店を継いでたったひとりで守り続けてきた!」
のび太「でも君は!」
スネオ「声を張るなよ。客に聞こえる」
スネオ「僕は在学中あちこちを回った」
スネオ「君たちエリーーートさんからみたら遊びまわってただけに映っただろうね」
スネオ「でも僕にとってはこれまでの人生で一番考えに考えぬいた時期だったんだ」
スネオ「バックパック一つで北へ南へ、日銭を稼ぎながら」
のび太「嘘だ……お金、あったんだろ……?」
スネオ「ないよ。僕、それだけは自分の力でやり遂げたかったんだ」
スネオ「というよりそんな無謀な旅にだすお金はないザマス!って言われちゃった」
スネオ「それで僕カッとなってさ、まぁいい後押しになったよねママのセリフは」
スネオ「楽しかったなぁ。でも根無し草でいられるたった数年という時間が口惜しかった」
スネオ「なにかしていてもなにもしていなくても、時間はながれていくことをはじめて悟ったよ」
のび太「その貴重な人生の時間というものを知ってるから、僕はいまこうして君に」
スネオ「だから、一生好きなことをしようって決めたんだ」
のび太「!」
スネオ「いいじゃないか。政治家もサラリーマンも自営業も」
スネオ「どこに貴賎があるんだ。あるとしたら職にじゃない、それを思う人間にだよ」
のび太「貴賎があるなんて言ってない!」
スネオ「口にだしてないだけさ」
スネオ「僕は、のび太の心が透けて見える。本音も建前も、全てね」
のび太「……」
のび太「そこまでわかってる君が、なぜ意固地になってここに店を」
のび太「もっと打算的に考えればいい取引ができるはずだ」
スネオ「ここはすばらしい街だ。きっとこの先も発展する」
のび太「あたりまえだろ……出木杉市長の計画だぞ……」
スネオ「なら客足が増えそうなところにあらかじめ店をかまえるのは、僕の経営戦略」
スネオ「……だろ?」
スネ夫隙なさすぎワロタ
347 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 21:36:37.13 ID:ADOa3HV60
のびたどう出る!?
348 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 21:38:49.45 ID:QGlFn6/k0のび太「……」
スネオ「それともなにかい? 人様のビジネス無理強いできるほどの国家権力でもお持ちかな」
のび太「そんなものはない。僕は……」
スネオ「いいんだ。わかってる」
スネオ「のび太は悪くない。ただ実直に仕事をしたまで。頑張り屋のセールスマンみたいなもんだ」
のび太「……スネオの気持ちはよくわかった。理解は、まだ難しいけど」
のび太「どうやら君は僕の一歩も二歩も先を歩いてるみたいだね」
スネオ「エリートは僕なんかに感化されちゃだめだよ。だめ人間なんだから基本」
スネオ「のび太にはのび太にあった仕事がある。そうだろ?」
スネオ「僕は仕事人間になれそうもないからこうしてるだけ」
のび太「そうだね……」
のび太「……今日のところは退散させてもらうよ」
スネオ「次は市長をつれてくるかい? それともヤのつくお人たち?」
のび太「そんなことしないよ」
スネオ「おっと、忘れてた。コーヒー代。200円な」
のび太「……とるのか」
スネオ「ははっ、冗談。そんな顔するなよ」
のび太「一杯200円じゃ、ほんとに儲けでないだろ」
スネオ「まぁね。だから言ったろ道楽だってば」
のび太「それ老後じゃだめなのか」
スネオ「しつこいなー、じゃあのび太が実入りのよさそうな話ひっぱってこいよ」
のび太「えっ?」
スネオ「四次元カンパニーだっけ? ドラえもんのポケットみたいになんだってできるんだろ?」
のび太「それが僕の経営理念だけど」
スネオ「僕はイオンを含む都市計画に決して迎合はされないよ。でも懐柔はできるかもねって話」
のび太「ほ、ほんと!?」
スネオ「せっかく足運んでくれたんだ。土産がないと出木杉閣下に顔向けできないんだろ?」
のび太「いや、そういうわけではないけど」
スネオ「僕だって今の生活がより楽しくなるなら一枚かませてほしいな」
のび太「……本気で言ってる?」
スネオ「僕が嘘ついたことあるとでも?」
のび太「昔いっぱい……忘れたとはいわせないぞ、意地悪もされた」
スネオ「ハハハハ! やっぱりのび太はのび太だね」
スネオ「安心した。出木杉市長とのパイプはのび太にまかせるよ」
のび太「スネオ……ありがとう」
スネオ「さて、今日はちょっと店じまいだ。久々にパパに電話しなきゃ」
のび太「財閥に?」
スネオ「お金がかかりそうな話だからなー」
スネオ「その分のリターンを見込めなきゃ僕は即切りするけどね」
のび太「任せてくれよ。きっとうまくいく、僕らなら」
スネオ「僕らなら、ね……昔もよくそう言ってたか」
のび太「ドラえもんがいなくても、大丈夫さ」
スネオ「当たり前だろ。僕らはおとなになったんだから」
スネオ「自分できめて、自分で勝手に生きていくしかないのさ」
スネオ「まぁなんかあったらまた足はこべよ」
スネオ「ここには癒してくれる子ならたくさんいるぜ。あとおいしいコーヒー」
のび太「残念だけど、僕はもうすぐ所帯を持つ身だから」
スネオ「そりゃおめでとって、何年かかってんだよ!」
・・・
出木杉「で、おめおめと引き下がってきたと?」
のび太「しかし、将来的な妥協案があればなんとか」
出木杉「ひとこと『潰せ』と言ったはずだが?」
のび太「……」
出木杉「まさか昔馴染みの情に転んだとは言わんよな?」
のび太「……そんなことは」
出木杉「では百戦練磨の潰し屋がなぜこんな糞以下の報告書を?」
のび太「ポリシーをもった者は懐柔したほうが有用ですので」
出木杉「懐柔だと? バカバカしい」
出木杉「俺はなぁ、骨川の財閥がしゃしゃり出てくると面倒なんだよ」
出木杉「わかるか? だから貴様に奴の心を折らせにいったんだ」
出木杉「だのにできませんでしただぁ?」
ここで明かされるできすぎの屑っぷり
419 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 22:13:03.83 ID:QGlFn6/k0出木杉「高い金払ってこのザマじゃ貴様の実力の底がしれたな」
のび太「きっと骨川スネ夫率いる次期骨川財閥は市長の力になってくれます」
出木杉「なんの保証もないだろうがぁ、金もちは金をだすだけの分際で外野からピーコラうるせぇんだ」
のび太「融資あっての計画です」
出木杉「もう出資者はおおかた募ってんだよぉ、税金もふんだんにあるだろうがぁ」
出木杉「貴様の提案なんぞ端から必要ねぇんだよ」
出木杉「やるべきことをきっちりやれや。それが仕事ってもんだろうが」
のび太「つまり、骨川スネ夫が厄介だと?」
出木杉「厄介にきまってんだろうがあんな放蕩貴族様」
出木杉「強情っぱりの剛田も含んでどうして俺の同期にはゴミしかいねぇんだ」
出木杉「野比てめぇまさか裏で変なことしてないよな?」
のび太「してません」
出木杉「わかってるな? お前の吹けば飛ぶようなちんけな会社、俺の指先ひとつで」
のび太「市長にはたくさん仕事を回していただけて大変感謝しております」
出来杉の過去になにがあった
430 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 22:18:57.68 ID:QGlFn6/k0出木杉「ふんっ、同じ学閥だから贔屓してやってるだけで代わりなんていくらでもいるんだよ」
出木杉「それがわからず三流仕事やってるようじゃまだまだだな」
のび太「……申し訳ありません」
出木杉「それと野比、お前結婚するんだったよな」
のび太「……一段落したら」
出木杉「その前に自分で撒いたタネは自分でなんとかしろよな」
のび太「……」
出木杉「わかってんだろ? お前が骨川を潰さない限り暇なんて与えねぇからな」
出木杉「ほらわかったらさっさとあいつのゴミ喫茶を潰してこい」
のび太「すこし時間がかかりそうです」
出木杉「そうか、で、どれくらいだ。具体的に」
のび太「……」
出木杉「……じゃあ、消えてもらうかあいつには」
のび太「!」
出木杉「そのほうが都合がいいな、うんそうしよう」
のび太「な、なにを言ってるんだ!」
出木杉「さて、電話するかな」
のび太「まってくれ! こんなのおかしい!」
出木杉「即決即断、有言実行が俺のポリシーでね」
のび太「ポリシーじゃない! それは思考の放棄だ! 安直過ぎる!」
出木杉「お前は他人のポリシーを曲げるほど強い弁をもっていない、それは心の軸があやふやだからだ」
出木杉「社会にでてあっちこっち擦り寄ることしか覚えてないお前に、俺を説き伏せることはできない」
出木杉「そして、弱いやつは俺の理想とする社会の歯車になれない」
出木杉「だが骨川のような時代に流されない強いすぎるものも放っておけばまた、周りと少しずつズレが生じていく」
出木杉「俺にとっては、どちらも邪魔でしかたない」
のび太「君だって出木杉の人間だろうが!」
出木杉「一人でいいだろう、社会を創りあげ監視するのは」
出木杉「みんな仲良く砂場でお城をつくっているわけではないんだ」
出木杉「万民の意見をすり合わせるようなことをいちいちしていてはよりよい発展などない」
出木杉「天才のつくりあげた土台でお前たちは慎ましく安穏な暮らしをすれば、それでいいんだ」
のび太「うぬぼれている! 自分ひとりで社会をまわせるとでもおもっているのか」
出木杉「……あぁ、その通りさ」
出木杉「もしもし骨川の件なんだが……」
のび太「や、やめろ……やめてくれっ、スネオが何をしたっていうんだ!」
出木杉「明朝……そう……いいかトラック1台でいい」
出木杉「後始末は俺がする」
のび太「……なんの話をしているんだ……やめてくれ出木杉君……」
出木杉「さて、野比。お前の始末はどうするかな」
のび太「始末……僕もか!?」
出木杉「愚鈍なのはお前のほうだったな。俺に対する警戒心がなさすぎた」
出木杉「俺は同期のよしみや、長年の腐れ縁などというくだらない付き合い、蚊ほどにも気にしない人間でな」
のび太「嘘だろ……殺すのか!? こんな簡単に人を!?」
のび太「君は都市計画のためにどれだけ過ちを犯してきた!」
出木杉「さぁな、数える気にもならん。めんどくさい輩はこのリストのとおりだ」
のび太「ば、ばかな……10人やそこらじゃないぞ」ぺらっ
出木杉「貴様への依頼はこのリストに従って出してきたつもりだ」
のび太「ジャイアンとスネオの名前が……」
出木杉「貴様が事業をつぶさせる潰し屋だとしたら、その後を始末する始末屋もいるんだよ」
出木杉「それとも、自分が潰したゴミのその後なんて気にもしなかったか?」
のび太「そんな……ことは」
出木杉「お前は自分の罪にさいなまれ、目を背けていただけだ」
出木杉「だが安心しろ、お前は決して誰かに逆恨みされることはない。俺のおかげでな」
のび太「ぜ、全員……消したのか?」
出木杉「お前がこなした案件数イコール、に相当する」
のび太「僕が……?」
出木杉「なにも直接刃物で刺し殺すわけではない」
出木杉「そっと後押ししてあげるだけだ」
のび太「それを……出木杉君が……やったのか?」
出木杉「あぁ、それがなにか? 始末屋とは俺のことだ」
のび太「なんてことを……」
出木杉「お前が弱らせた獲物を的確に処理しただけのこと」
のび太「僕は……僕はいままで……なんのために」
出木杉「俺のために」
のび太「!! いいように使われていたっていうのか!!」
出木杉「使ってやった。というわけだ」
出木杉「そして計画は最終段階に入る」
出木杉「リストの最後のページをみてみろ」
のび太「……!」
のび太「僕の名前だと……? しずかちゃんも……?」
出木杉「お前を始末してすべては終わる」
出木杉「良かったな。もう罪の意識で眠れない夜に苦しむことはない」
出木杉「自分の投げかけてきた数々の言葉で自ら傷つくこともない」
出木杉「そうだろう?」
のび太「……僕は、なにをしてきたんだ」
出木杉「簡潔に言うと、人を殺す手助けだ」
出木杉「よく働いてくれた。最後の骨川の件でトチったのが惜しかったな」
出木杉「場合によってはこのままお前の正式な登用も考えたが、まぁ仮定の話は捨て置こう」
のび太「あ……僕は……なんてことを」
出木杉「仕事なら、と割り切れる人間の心は実に恐ろしいものだ」
出木杉「お前のような劣悪に非道な人間は俺の目指す社会に必要ない。死んでくれないか」
のび太「あ……あ゛……」
出木杉「お前の残された仕事は、このリストの最後の人物、野比のび太を潰すことだ」
出木杉「自らの罪の重さで潰れろ」
出木杉「お前はとても残忍な仮面をかぶっているが、人並みに悩み苦しむことができる優しさをもっていた」
出木杉「そしてその優しさが真綿のように貴様の首を長年しめつけ」
出木杉「今に至るというだけのこと……」
のび太「僕はともかく……なぜ、しずかちゃんも」
出木杉「それは私怨でしかない」
出木杉「手に入らないものは存在するだけで不快なんだ」
出木杉「さきも言ったがなにも俺は直接手をかけはしない」
出木杉「お前が死後、後追いするようにさりげなく道を用意するだけだ」
のび太「……許せない」
出木杉「?」
のび太「そんなことをさらっと言えるお前はもう人間なんかじゃない! 人の世をつくるにふさわしい存在じゃない!」
出木杉「そうだな。人の上にたつものが人であっていいはずがない」
のび太「それは言葉遊びだ」
出木杉「俺は心の底からそう思っている」
出木杉「だからゆえに、俺にはアイツは邪魔だったんだ」
出木杉「神にもなりえる力……時代にそぐわないオーパーツ」
のび太「ドラえもん……?」
出木杉「……ふふっ、まぁことの顛末など今は必要ないだろう」
出木杉「ただ彼はもうこの時代に存在していない、その結果だけで俺は満たされる」
587 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 23:17:14.08 ID:QGlFn6/k0出木杉「?」
のび太「そんなことをさらっと言えるお前はもう人間なんかじゃない! 人の世をつくるにふさわしい存在じゃない!」
出木杉「そうだな。人の上にたつものが人であっていいはずがない」
のび太「それは言葉遊びだ」
出木杉「俺は心の底からそう思っている」
出木杉「だからゆえに、俺にはアイツは邪魔だったんだ」
出木杉「神にもなりえる力……時代にそぐわないオーパーツ」
のび太「ドラえもん……?」
出木杉「……ふふっ、まぁことの顛末など今は必要ないだろう」
出木杉「ただ彼はもうこの時代に存在していない、その結果だけで俺は満たされる」
のび太「出木杉君……君がドラえもんを……?」
出木杉「事実無根だ」
のび太「なんだと! いま君は!」
出木杉「俺にとっては、過去の話」
のび太「過去だと! ふざけるな!! 僕はドラえもんがいる未来へつながるように……都市計画を……」
出木杉「ドラえもんドラえもんと……!」
出木杉「あのたぬきがお前の人生にどれほど影響を与えたポンコツかはしらんが」
出木杉「その言葉をきくだけで幼い当時のトラウマが蘇る!」
出木杉「実に腹立たしい!!」
のび太「出木杉……君?」
出木杉「野比、俺はお前とは違う」
出木杉「一番をとって、人の上にたつことでしか俺は自分を誇示することはできない」
出木杉「あの夏もあの冬も、お前たちが大冒険などとうつつを抜かしている間! 俺は勉強して勉強して」
出木杉「満点をとることだけにすべての時間を費やしてきた! 自分を確立させるためにだ」
出木杉「だが! そうすればするほど貴様らとの距離は開いていく! なぜだ!!」
出木杉「なぜ0点のお前に友達と女がいて! 100点の俺はあんな惨めな役回りなんだ!」
のび太「なにをいっているんだ出木杉君……」
出木杉「思うに、俺とお前は対であり真逆の存在だ」
出木杉「ゆえに惹かれあい、反発しあう」
出木杉「そうだろ? しずかちゃんを取り合ったことも二度や三度ではない」
のび太「同意を求められても、僕はわからないよ……」
のび太「君は君じゃないか、僕に固執するまでもなく、君として生きているんだ」
出木杉「そう思える心の豊かさをお前は成長の中で得ただけのこと」
出木杉「しかしそれは今の俺には当てつけのセリフにしか聞こえないんだ!!」
のび太「君は……嫉妬しているんだね」
出木杉「あぁ、ずっとさ。殺したくてたまらなかった」
出木杉「貴様がグズのまま落ちぶれ、どれほど苦しむか見たかった」
出木杉「手始めにたぬきを葬った。お前は落ち込んで死を考えるとすら思った」
出木杉「だがお前はそれをバネにここまで来た」
出木杉「どういうことだ? 俺はどうすればお前に勝てる?」
のび太「………君は、市長になったじゃないか。それは紛れもなく努力のたまものだよ」
出木杉「お前にさとされるほど気分の悪いものはないな」
652 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 23:34:17.68 ID:QGlFn6/k0出木杉「ゆえに惹かれあい、反発しあう」
出木杉「そうだろ? しずかちゃんを取り合ったことも二度や三度ではない」
のび太「同意を求められても、僕はわからないよ……」
のび太「君は君じゃないか、僕に固執するまでもなく、君として生きているんだ」
出木杉「そう思える心の豊かさをお前は成長の中で得ただけのこと」
出木杉「しかしそれは今の俺には当てつけのセリフにしか聞こえないんだ!!」
のび太「君は……嫉妬しているんだね」
出木杉「あぁ、ずっとさ。殺したくてたまらなかった」
出木杉「貴様がグズのまま落ちぶれ、どれほど苦しむか見たかった」
出木杉「手始めにたぬきを葬った。お前は落ち込んで死を考えるとすら思った」
出木杉「だがお前はそれをバネにここまで来た」
出木杉「どういうことだ? 俺はどうすればお前に勝てる?」
のび太「………君は、市長になったじゃないか。それは紛れもなく努力のたまものだよ」
出木杉「お前にさとされるほど気分の悪いものはないな」
のび太「君は、僕に復讐するために生きてきたの?」
出木杉「すべてがすべてそうではない」
出木杉「ただこの都市計画を発案したとき、ふと考えただけだ」
出木杉「まとめて貴様らに復讐できるとしたらこれは絶好のチャンスだとな」
出木杉「そこへ飛び込んできた何でも屋などというバカなお前を利用しただけのこと」
のび太「……そっか」
のび太「僕らの幼い無神経さが、君を歪めてしまったんだね」
のび太「悪いことをしたとはおもう。だけど、まったく同情はできない」
出木杉「いまから死ぬお前に同情されたくもないな」
出木杉「ただで死なすのは惜しいとおもったから教えてやっただけにすぎない」
のび太「出木杉君。ふたつ言いたいことがある。
出木杉「聞いてやろう」
のび太「まず、ドラえもんを殺したことは許せない」
出木杉「……許しをこうつもりもないがな」
のび太「しずかちゃんを殺そうとしたことも許せない」
出木杉「で?」
のび太「だから、今タイムパトロールを呼んだ。ずっと探してたんだドラえもんの行方を」
出木杉「タイ……? 呼んだからなんだというんだ。ここは密室、セキュリティも万全」
のび太「タイムパトロールは……次元の壁をつきやぶって現れる」
ピシッ……――パキ
出木杉「なっ! なにぃい!!」
警察「タイムパトロールだ! 出木杉英才だな、ロボット人権法にのっとり直ちに拘束する」
出木杉「なんだと!!! く、空間から……!」
701 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 23:46:25.41 ID:QGlFn6/k0出木杉「聞いてやろう」
のび太「まず、ドラえもんを殺したことは許せない」
出木杉「……許しをこうつもりもないがな」
のび太「しずかちゃんを殺そうとしたことも許せない」
出木杉「で?」
のび太「だから、今タイムパトロールを呼んだ。ずっと探してたんだドラえもんの行方を」
出木杉「タイ……? 呼んだからなんだというんだ。ここは密室、セキュリティも万全」
のび太「タイムパトロールは……次元の壁をつきやぶって現れる」
ピシッ……――パキ
出木杉「なっ! なにぃい!!」
警察「タイムパトロールだ! 出木杉英才だな、ロボット人権法にのっとり直ちに拘束する」
出木杉「なんだと!!! く、空間から……!」
のび太「……さよならだよ出木杉君」
出木杉「やめろ! はなせ! なんだこいつらは」
警察「全て吐いてもらうぞ出木杉」
出木杉「俺はなにもしていない!! ハメられたんだ野比のび太に!」
のび太「言質はとってある、もう無理なんだよ」
のび太「哀しいね。どれだけ才能があっても、未来のことはわからない」
のび太「いってらっしゃい。ロボットの殺害は未来では思い罪だ、二度ともどってくることはないよ」
のび太「せめて君の目指した未来をその目でみてくるといい」
のび太「きっと君が思い描いたどす黒い世界とは、違うから……」
出木杉「糞がああああ!」
タイムパトロール「ご協力感謝します!」
のび太「お疲れ様です……」
のび太「こうして出木杉君は去った」
のび太「壮大な都市計画は頓挫し、その後の都市整備は骨川財閥が基軸となって行うことに」
のび太「一方で古き良き街並みの保存も理念にくわえられ、徐々に商店街の復興にも力をいれはじめたようだ」
のび太「そして僕はいま法廷に立っている」
裁判「では被告人野比のび太はいままでの全ての罪を認めますか?」
のび太「……はい、僕は確かに被害者に対し、自殺の教唆を行いました」
のび太「それは許されるものではなく、刑をもって罪をつぐなう所存でございます」
裁判「では、判決を言い渡す……」
のび太「……」
のび太(出木杉君……君の犯した罪、全て僕がもって行く……)
のび太(ドラえもん……君だけは僕を、許してくれるかな……)
おわり
乙
面白くて見いってしまったぜ
757 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 23:58:35.07 ID:aRK1DCDKO面白くて見いってしまったぜ
おつ!!
760 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/17(水) 23:58:58.00 ID:IwxCT68rO
乙
しかしこれしずかちゃんが一人不幸になってるな
のび太は覚悟決めてるし、出木杉は自業自得だけど
776 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/18(木) 00:09:01.93 ID:Byc8p8Vn0しかしこれしずかちゃんが一人不幸になってるな
のび太は覚悟決めてるし、出木杉は自業自得だけど
良かったよ
乙です
793 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/10/18(木) 00:18:00.05 ID:skJASe3m0乙です
鬱ったのでちょっと大山ドラの映画見てくるわ・・・
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